2015年11月11日水曜日

"OneWeb" vs "internet.org"

インターネットをより広く安価に提供することを目的としたプロジェクトに「OneWeb」と「internet.org」の2つがある(もちろん他にもあるとは思うがグローバルで活躍するメジャーなものはこの2つであろう)。

「OneWeb」は、ヴァージングループ創業者のリチャード・ブランソンが参画したことで知られるが発起人は、元グーグルのグレッグ・ワイラー氏だ。小型衛星を648基飛ばし、全地球上をカバーしよう、というものだ。衛星は低軌道を通るため、ハンドオーバが必須な他、静止衛星との干渉を避けるためProgressive Pitch(TM)なる技術を開発するなど、独特だ。使用する周波数もあまり明確になっていない。また、参画企業がエアバス、コカ・コーラ、ヴァージンなど、通信会社と一見縁のない企業が参画している点も特徴だ。もちろん、クアルコムや、インテルサット、バーティなども参加はしているが。

一方「internet.org」は、フェイスブックのマークザッカーバーグが提唱したプロジェクトでエリクソン、クアルコム、メディアテック、サムソンなど世界有数の通信機器メーカが参画している。こちらは、OneWebと違って、既存の技術・機器を安く、できれば無償で提供し、世界中の全人類がインターネットにアクセスできるようにしよう、という試みのようだ。

衛星で提供するのが、簡単か、IT会社・通信機器会社・通信事業会社がタッグを組んでデバイス・サービスを供給するのが簡単か、というアプローチの違いだろう。

低軌道衛星は、高層ビルなどがあるとシャドーイングとなり、通信できない都市・衛星が増えてしまう可能性があるが、最近の衛星技術の発展、低価格化を見ると、タッグを組んで地上波を整えるよりも、衛星の最小限度の投資で賄う方法の「OneWeb」の方が現実的な気もする。

ただ、既にイリジウムなど低軌道衛星通信システムは、存在しているのだが・・・。

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