2016年12月27日火曜日

iPhone8 の噂

iPhone8のコードネームが「フェラーリ」だそうだ。

フェラーリと言えば、高速運転の代表格だが、このコードネームから連想されるのは、
・ iPhone8でプロセッサが高速となり、操作性の大幅な向上
・ 通信速度が高速
など、だ。

後者の通信速度が高速とは、LTEのCAの本数が増え、5本とか、10本とかになることが想像される(3GPPのrelease13では、32本のキャリアアグリゲーションが定義されている)。

もうひとつのダークホース的な高速通信は、802.11adだ。
長らく60GHzなどのミリ波は実用化される、と言われながらなかなかされてこなかった。

コスト、消費電力、アンテナの小型化など、目処がついていてもおかしくない。フェイスブックなどは、ビル間のバックホールの通信に802.11adを使用するそうだ。
https://code.facebook.com/posts/1072680049445290/introducing-facebook-s-new-terrestrial-connectivity-systems-terragraph-and-project-aries/

いずれにせよ、5Gのミリ波の前の高速通信が期待できそうだ。



2016年12月26日月曜日

次世代WLAN規格 802.11ax

WiFiの次世代規格11axのデバイスが早ければ、2018年初めにもリリースされそうだ。

先日、11nから11acに対応されたばかりのような気もするが、11axは高速通信、というものよりも、公衆無線LANのような環境を意識した高効率、マルチユーザの取り込みに主眼が置かれているようだ。

11acからの大きな違いは、
・ 2.4GHz帯でも使用できること(11acが5GHzのみが対応という方がおかしかったか?)
・ これまでのOFDM方式ではなく、OFDMA方式により1つのAPでより多くのユーザがストレスなく通信可能
・ ガードインターバル長が多少大きなセルを意識し、3パターン(0.8 , 1.6 ,3.2 μs)のものが用意されている。
・ OFDM(A)のサブキャリア間隔が従来の1/4(78.125MHz)となり、高速通信が可能に。最大10Gbpsを狙う。
・ 変調方式も1024QAMまで対応。
・ マルチユーザMIMO

などである。

ミリ波を使わない11axがこれだけのことができる。今後、5Gとの協調運用が楽しみだ。

LPWA IoT(Internet of Things)の世界を制すのはどの無線規格だ!?

IoTの世界が熱い。

IoTはM2Mととらえることもでき、こういった意味では、WCDMA、CDMA2000などもIoTの候補である。以前取り上げたLTEのCat0や、もう少し低消費電力を実現するCatMなどもその類である。

しかし、さらに低消費電力、広範囲なカバーエリアを目指すものもあり、LPWA(Low Power 、Low Area)などと呼ばれている。このLPWAにも様々な無線規格があり、これらに関してまとめておく。

① SigFox
フランスのSigfox社が牽引するサブギガ帯の無線規格。規格はETSIでまとまられている(http://www.etsi.org/deliver/etsi_gs/LTN/001_099/003/01.01.01_60/gs_ltn003v010101p.pdf)。既に、TI、Amtel、Silicon Laboratoriesなどがチップを提供。変調方式は、BPSKやGFSKまたDSSSもある。

日本では、京セラの関連会社KCCSがSigfoxネットワークの日本での独占的な提供を発表。
デバイスは、SMKや村田製作所が提供していくと思われる。

② LoRa
アメリカのSemtech社が牽引するサブギガ帯の無線規格。韓国、フランスなどで既に人気がある。①のSigfoxも既に導入されている。デバイスはSemtech社が提供していく模様。変調方式は、チャープを使用したスペクトラム拡散方式。

日本では日本IBMがLoRaWANのサービスを始めると先日発表。

③ Wi-Fi HaLow
802.11ahの規格。チップセットメーカQualcomm社が牽引するサブギガ帯の通信方式。変調方式は、WiFiのスペクトラムを狭帯域にしたもの。

④ Wi-SUN
zigbeeの進化版としてWiSUNアライアンスでまとめられているサブギガ帯の通信方式。変調方式は、QPSK、2FSK、4FSK、OFDM。


⑤ NB-IoT
3GPPでrelease13として規格がまとめられている。この中で唯一ライセンスバンドを使用。LTEの1リソースブロック分を使用し、帯域は200kHz程度。
チップセットは、中国Hi-Siliconや米Qualcommなどがリリース予定。

①、②は携帯キャリア会社に依存したくないサービスプロバイダが先頭を切ってサービスを推し進めそうだが、結局は携帯キャリアの提案するサービス・内容が勝り、⑤のNB-IoTが普及していくのでは、と噂されている。

いずれにせよ、ビックデータのIoT時代、要注目の無線規格である。