2010年12月8日水曜日

WiMAXベンダの今と、今後のLTE勢力図

一見つながりのない、このタイトル、WiMAXとLTE。しかし将来的にはかなりお互いに影響を及ぼしあう。

最近WiMAXサービス事業者がぞくぞくとLTEへの鞍替えを表明している。ロシアのヨタ(Yota)、アメリカのクリアワイヤ(clearwire)などだ。しかし、日本が採用するLTE FDD方式ではなく(FDD方式とは上り回線と下り回線で異なる周波数を使用する)、LTE TDD方式だ(TDD方式とは、上り回線と下り回線が周波数が同じで時間的に区切って通信される方式)。
WiMAXはTDD方式であり、これがLTE TDD方式に似ていること、またWiMAXのデータレート21Mbpsでは、LTEのサービス開始後見劣りするということで次の世代に移ろうという、考えだ。 この移り先にLTEのTDD方式を考えているようだ。

また、ITUは既にLTEの次の世代のITU-Advancedの模索を始めており、候補として3GPP系のLTE-Advanced、IEEE系のWiMAX-Advancedが選定されている。
このWiMAX-AdvancedはTD-LTE-advancedとかなり近いものとなり、これによりWiMAXが消滅するという業界関係者は多い。

つまりLTEの時代(日本では第3.9世代、欧米では第4世代といわれる)にせよ、またその次のxx-advancedの時代にせよ、WiMAXはLTE系に吸収されるという格好だ。


ここで、TD-LTEのベンダをまとめておこう。ZTE・ Huawei・ Samsung・ ericsson・・・・そう、日本勢は全くでてこない。WiMAXと技術が似ているということで、WiMAXの基地局を開発していた企業が名をあげるはずだが、UQへ基地局を供給しているのはサムスンだ。日立、富士通なども提案はしていたはずなので、こういった企業が再度TD-LTE基地局にも名乗りをあげる可能性もゼロではないが、中国・韓国勢に勝てる体力は残っているか疑問だ。

つまり、近代通信技術のTDD化は、さらなる日本の情報通信産業の衰退をもたらす可能性を秘めているといえる。

だが、唯一TDDのシステムが日本に存在した。PHSだ。現在は次世代PHS、またの名をXGPという。サービスをしているのは、ウィルコムだ。ところがだ。このウィルコムは経営不振からソフトバンクに資本を注入され、現在はXGPの次の世代、XGP-Advancedとしてサービス開始を検討している。このXGP-Advancedこそ、TD-LTEのことである。つまり、PHSをもTD-LTEの外国産となってしまう。

つまり、日本の情報通信産業としては早急にTDD系のテクノロジの開発体制を整えるか、FDD方式が主要技術となるような活動をしていかなければ未来はない、ということになるだろう。

政治・経済・技術、中国勢の勢いが気になるところだ。

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