2010年12月27日月曜日

ロングタームHSPAエボリューション(long-term HSPA evolution)

先日ノキア・シーメンスが現行のHSPAサービスの発展系、ロングタームHSPAエボリューションの標準化を発表した。米国のt-mobileと共同とのことだ。

ご存知のように3GPP release7,8,9で規定されているHSPAエボリューション(HSPA+とも呼ばれる)をさらに発展させたものであり、この技術を使用すると650Mbpsまで理論的には実現できる。

これが実現すればさらに競争が激しくなることが予想される。

現在高速無線通信には大きく
・ LTE(3GPP系)
・ WiMAX(IEEE系)
・ 無線LAN(IEEE系)
とあるが、さらにこれらにロングタームHSPAエボリューションが加わることになる。

2013年の商用化を目指すということなので、この時点では、
・ LTE-advanced (1Gbps)
・ WiMAX-advanced(WiMAX2) (330Mbps) @高速移動時でも可
・ IEEE802.11ac (1Gbps)
・ LT-HSPA+ (650Mbps)
という規格が出揃うことになる(商用化されるかどうかは不明だが・・・)。

また。LT-HSPA+は現行の基地局の拡張で実現できる可能性が高く、ともなればかなりの競争力を持つことになる。

コストダウンではTD-LTEなどが中国ベンダが多いということで検討していたが、この動きががらりと変わることが予想されるできごとだ。

また、LT-HSPA+のテクノロジとしては、LTE-advancedのテクノロジが多く、なるほどOFDM方式で適用できればCDMA方式でも適用できわな・・・という技術が採用されている。

例をあげると、
・ マルチキャリア
・ キャリアアグリゲーション
・ 協調プロセッシング
・ MIMOの拡張
などである。

また、今後の勢力図なども結構変わってくる可能性がある。筆者の浅はかな予想としては、
・ LTE-advanced → NTTドコモ
・ WiMAX-advanced(WiMAX2) → KDDI(UQ)
・ IEEE802.11ac (1Gbps) → ???
・ LT-HSPA+ (650Mbps) → イーモバイル、ソフトバンク
などが採用し強みを生かすか?と思う。

また、無線LANのIEEE802.11acに関してはバッファローなどの機器メーカが恩恵をうけるのか?バッファローは現在フリースポットを推奨しており(http://www.freespot.com/)、今後も台風の目となる可能性はある。

コンテンツやサービスの問題においては、LT-HSPA+はレイテンシーが遅いという障害が付きまとう。いずれSAE(System Architecture evolution)のような遅延時間の短いものに移行していく可能性はあるが、現段階ではこれがネックとなりオンラインゲームのようなサービスには向かないといえる。

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