2012年10月2日火曜日

ソフトバンクのイーアクセス買収、から見える日本の携帯オペレータの今後

2012年10月1日、ソフトバンクがイーアクセス買収を発表した。ウィルコムのPHS加入者数をいれると、ソフトバンクが日本での第二位の携帯電話プロバイダとなる。

買収の決め手となったのは、やはりスマートフォンの普及によるデータトラフィックの分散であろう。iPhoneの普及によるトラフィック増大を考え、公衆無線LANの普及にも尽力してきたが(http://lteltelte-lteworldsituation.blogspot.jp/2011/10/wifi.html)、これだけは不十分と考え、やはり携帯網の拡充にも乗り出してきたのであろう。

LTEのband 3というと日本では、1.7GHzをさし、海外では、1.8GHzと言われるが、このイーアクセスがもっていたband 3が今回の買収の決め手となったわけだ。iPhone5では、band1とband3両方使えるため、今後のソフトバンクのiPhoneはトラフィックの渋滞に悩まされること無く、快適なデータ通信が楽しめる可能性が高い。
http://www.apple.com/iphone/LTE/

これは、ものすごくKDDIに対する優位点になる。

また、ディザリングをした関係でデータ通信トラフィックはさらに渋滞状態になる。この状態でKDDIはどこまで耐えられるだろうか?すぐさま評判が落ちソフトバンクへ移行するユーザもでてはおかしくない状況だ。

しかもソフトバンクは、傘下にWireless City Planningもある。旧ウィルコムの基地局部隊だ。ここでは、TD-LTE(彼らはAXGPと呼んでいる)が既にサービス開始寸前という状態(11月1日予定)であり、このTD-LTE技術は、中国、インドなど人口過多のエリアで採用が決まっている技術で、iPhoneの将来モデルで対応することは間違いないものだ。次のiPhoneモデルが出た場合は、TD-LTEをテザリング用に割り当てる、なんてこともでき、スマホのデータ通信の圧迫を防ぐような施策も打ち出せる状態にあるのだ。

一方、KDDIのWimaxがiPhoneに搭載されることはないだろう。こういった背景を考えるとUQコミュニケーションがTD-LTEのサービスを開始するのも先の話ではなさそうだ。


いずれにせよ、当面ソフトバンクの躍進はつづくであろう。また、アップルはグローバルMVNOなんてものも仕掛けてくる可能性もある。iPhoneの製造コスト削減や通信費の獲得、拡充サービスの提供など、メリットが大きいからだ。おそらく日本ではソフトバンクに白羽の矢が立つであろう。アップルがこわいのは、以前マイクロソフトが経験したように独禁法のみかもしれない。

スマホの普及は若年層には抜群である。若者の生活様態はそのまま未来の経済動向となるため、ソフトバンクの未来も明るいだろう。しかもスマホはビジネスにとっても大変便利なツールである。

これに加え、ドコモは『アマゾンや楽天のような会社を目指す』としている。これは、ソフトバンクを目指す、と言っているように私には聞こえる。

このような状況を考えるとボーダフォンを買収の際に言っていた孫氏の「ドコモを追い抜く」と言う言葉が脳裏をよぎる。

もう射程圏内といってもいい状況なのではないだろうか。




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