2011年9月19日月曜日

(WiFi)ルータが変えるLTEなど無線通信業界の生態系

GSA(Global mobile supplier association)の2011年7月のレポートによると、LTE製品は世界で161品が既にリリースされている、とのことだ。
http://www.gsacom.com/downloads/pdf/gsa_lte_ecosystem_report_290711.php4

その内訳は、

- モジュール 29
- タブレット 8
- ノートブック 10
- PCカード 2
- 電話 8
(WiFi)ルータ 63
- USBモデル 41
 
となっており、ルータの数が一番多い。やはり、LTEは最初データ通信に特化したネットワークであることと、スマートフォンなど電話機能を含むものなどは、高機能で投資が大きいので、最初はルータから作る、というのは納得のいくところだ。


私自身もタブレット端末を購入した後、wifiルータは非常に便利に使用させてもらっている。入手したタブレット端末が携帯系のネットワークを積んでおらず、外で使うためには不便なので、あたらに購入したのだ。これを購入した後、自分のネットワーク環境をより便利に安価に変えようと、いろいろアイディアが浮かんできた。

・ 公衆無線LANサービスの解約(wifiルータでどこでも賄える)
・ iPhoneからiPod touchへの変更の検討(通話機能はスカイプやNTTコミュニケーションズの050plusで賄える)
・ 家の有線ネットワーク解約の検討(無線LANで全て構築していたがwifiルータで賄えるので)
などなどだ。

つまり、上記のサービスなどを解約したとしても、なんら支障がなさそうなのだ。ルータは特にwifiルータは通信業界の利益をシュリンクさせるように働くのではないかとまで感じる。

また、GSAの調べでもあるようにLTEで多くのルータが登場してくることになるので、今後この動きは加速していく。そして、以前はLTEとWiMAXや、ADSLと光のように、無線なら無線、有線なら有線で競争しあっていたのだが、今後は私の3番目の変化のように、有線通信と無線通信が同じ土俵にのり、戦っていくことになるので、通信業界の競争はさらに激化していく、と感じる。

インフラ代に目を向けると、WiFiのインフラとモバイルのそれは当然桁が違う程後者の方が高い。つまり、より前者の方にデータ通信を逃していかなくてはならなかったのだが、wifiルータはよりモバイルインフラの方に負荷をかけることになる。これにより通信事業者のインフラ構築の必要性の向上、そして収益の圧迫、ユーザのネットワークコストの増大もしくはwifiルータの禁止、なんてことも起きるかもしれない。

また、他の面では、現在PCやゲーム機などにモバイルモジュールをいれ、利便性を図ろうとする動きがある。しかし、これすらもwifiルータによって一蹴されることになるだろう。つまり、今まで通りwifiモジュールの入ったPC、ゲームがあれば、wifiルータによっていつでもモバイルネットワークにつなげることができるようになるのである。

この動きにより、モバイル技術のモジュール・チップセットまた測定器は売れなくなることになる。

プラスの面をみると、ルータメーカの売上の向上だろう。

日本でも既にPLANEXやバッファローなどが表明しているように彼らのようなwifi系の製品を作ってきたメーカがより脚光を浴びるかもしれない。より小型でより電池のもちのよい、もしくは太陽電池付きのルータなどがあれば大きな収益をあげるかもしれない。ただ、このあたりは韓国・台湾・中国勢が得意なところなので、日本メーカは厳しいかもしれないが。

以上、長々と書いたがwifiルータの普及が進むと、
・ 1ユーザあたりの総合的な(有線等も含めた)通信コストの低減
・ 有線・無線通信を交えた競争の激化
・ キャリア会社の収益の圧迫
・ ルータメーカの売上向上
などの現象が起こってくるのでは・・・とみる。またスマートフォンでティザリングなどをして使用する方法が加速するとルータメーカには旨味はないことになる・・・。

いずれにせよ、wifiルータは通信業界の台風の目となりそうだ。その普及率なども今後ウォッチしていきたい。


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