2011年7月8日金曜日

eMBMS / MFSFN マルチキャストサービス

LTE リリース9の仕様にてeMBMS / MFSFNなるものが定義されているようだ。

MBMSはMultimedia Broadcast Multicast Serviceの略で3GPP リリース6で既に定義されている、マルチキャストの機能だ。商用化されたサービスは未だないようだが、このLTEの技術にて(リリース6ではWCDMAの技術)特定ユーザへの放送系サービスがにわかに高まっているようだ。

http://en.wikipedia.org/wiki/Multimedia_Broadcast_Multicast_Service

このMBMSをエンハンスしたものが今回のeMBMSだが、大きくはMBSFNという概念が導入された点が特徴であろう。

このMBSFNのSFNはSingle Frequency Networkの略で放送の分野では既に使用されている技術だ。この技術の効能は、同時刻に同周波数のリソースをいくつかの基地局で使用するため、システムのリソース効率があがる、というものだ。

逆に同時刻に同周波数で使用することは干渉を発生させる、ということであり、携帯端末はいくつかの基地局からの信号をマルチパスフェージングかのように認識する(各基地局からの伝播遅延が異なるため)。LTEではOFDMの信号が使われているためマルチパスがCP(サイクリック・プレフィックス)より小さければ干渉とならない。そのため、MBMSを行う際にはCP長を長くすることも行われる。またMBSFN専用のリファレンス信号も用意されており、CP長より長い遅延波に対しては、パス分離して処理できるのかもしれない。

いずれにせよ、LTE端末ではデータ通信のみではなく、マルチキャストサービスもうけられることが現実的になってきており、スカパーなどに代表される会員制コンテンツ配信サービスなどもモバイル環境で享受できるようになっていくであろう。

本当にすごい時代だし、そういったサービスを早くうけてみたいものだ。

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