LTE release9では送信モード8が追加されている。既にご存知のことと思うが確認のため、
LTEで規定されている送信モードを以下に示す。
Transmission Mode 1: Single antenna port, port 0
Transmission Mode 2: Transmit diversity
Transmission Mode 3: Large-delay CDD
Transmission Mode 4: Closed-loop spatial multiplexing
Transmission Mode 5: MU-MIMO
Transmission Mode 6: Closed-loop spatial multiplexing, single layer
Transmission Mode 7: Single antenna port, UE-specific RS (port 5)
Transmission Mode 8: Single or dual-layer transmission with UEspecific RS (ports 7 and/or 8)
(ちなみにportとはアンテナポートを指し、物理アンテナとは異なる。アンテナポートは処理上のポートでチャネル推定を行うリファレンス信号は送信側と受信側で同じアンテナポートを使う。つまり、物理アンテナ2からアンテナポート5の信号が送信されている場合、受信側でも物理アンテナ2の信号を受信しようとする際、アンテナポート5のリファレンス信号を用いてチャネル推定を行う)。
この送信モード8は、2層ビームフォーミングと呼ばれるものであるが、これは送信モード4の空間多重モード(Closed-loop spatial multiplexing)のビームフォーミング版だ。つまり下りの電波はビームを形成しており、かつ2つの情報ストリームを並行して送信しており、スループットが倍になる、というものだ。
また、この送信モード8は1ユーザに対して送信しスループットを高める方法と、各情報ストリームを2ユーザに割り振り、スループットは向上しないものの、同じ物理リソースを使用して異なるユーザにアクセスできるため、基地局の物理リソースを効率的に使えるというすごいメリットがある。
MIMO技術はシンプルだが非常に優れている。シャノンの限界を超えるにもこの技術が必要だった。今後はLTEだけでなく、他の無線通信にも複数レイヤのビームフォーミング技術は導入されていくだろう。
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