昨今の円高が止まらない。一時期75円台をつけ、今は76円台といったところだが、欧州のユーロ統一通貨そのものの問題、また米国のとてつもない額の借金、などなどが絡み、いずれにせよ、ますます円高が進む、という見方をする専門家は多い。
円高が進む度に日本のマスコミなどは『日本は大丈夫か?』『将来どうなる』と憂う。
しかし、自国の通貨が評価されている現状は、本来誇らしいものなのではないだろうか。高い信用力、強い経済基盤、安定した国内事情を買われて円が高くなっているのだから、デメリットばかりではないはずだ。海外品が安価に調達できたり、海外旅行がしやすかったり、メリットはたくさんある。
つまりいけないのは円高そのものではなく、現在の日本の産業構造の方なのだ。山で海藻をとろうとしているのだ。やはり企業も国も、環境適応、というものをしていかなければならない。円高になるならそういったビジネスドメインに思い切って舵を切る必要があるのではないか・・・?、と考える昨今である。
富士通のフリースケール買収、ルネサスのノキアモデム部門買収、NECの中国の武漢郵電科学研究院(WRI)との提携など、そういった布石を今まさに打っているのかもしれないが、これをさらに進め、以前は生産を海外に・・・と言われていたものをさらに、開発も海外にシフトさせるような構造を創り上げないといけないのかもしれない。
日本ではコンサルティングやマネジメント業務のみを行い、それと同時に、海外で開発・製造された製品を逆輸入し、設置・メンテなど国内でできない業務のみ残すような体制が、望ましいのかもしれない。
そういった意味では現在の日本のブルーカラーの人々は設置・メンテを行うことになると思われるためこれまでとあまり変わらないかもしれないが、ホワイトカラーの人々はさらに一段、二段も上のコンサルティング力(シミュレーションスキル)、またマネジメント力を学び・習得し、実行していかなければならないのかもしれない。
また、そういった際にブルーカラーとホワイトカラーの人々の収入差がかけ離れないよう、お互いの合意の得られる待遇を用意することも国・企業にとって重要なことだと考える。
本ブログは基本的に技術事項に重きを置いた内容にしたいと考えているが、ちょっと最近の円高と日本の電気企業の疲弊具合も鑑み、このような内容も投稿したいと考えた次第である。読み流していただけると幸甚である。
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