日経新聞で、ドコモの子会社ネットモバイルが決済事業を行うドイツ企業へ追加出資すると、報道されている。
http://www.nikkei.com/tech/news/article/g=96958A9C93819696E0E0E294E18DE0E0E2EBE0E2E3E38698E0E2E2E2;da=96958A88889DE2E0E2E5EAE5E5E2E3E7E3E0E0E2E2EBE2E2E2E2E2E2
この記事から2つのことを感じる。
① 円高を利用した海外企業の買収ラッシュ
② 携帯事業者の通信料による収益モデルからの脱却
だ。前者は以前も触れたが、今後もこの円高を利用し、欧州を今年、来年には米国の企業を買収していくのではないか、と感じている。
今回記事にしたのは②こそが、今後のキャリア会社が目指す道と感じたからだ。
NTTドコモは携帯電話を社会のサービスプラットフォームにしようと考えているようだ。「モバイルを核とした総合サービス企業」という言い方をしている。
以前、送金ビジネスを携帯電話事業者の一つの柱にしていく、というコメントを聞いたことがある。金融機関を使用した送金は手数料があまりにも高く、特に発展途上の国では利用しにくい。そのため、携帯を使用した送金をするケースが海外では圧倒的に多いようだ。この手数料が事業者に入る、というモデルだ。
そうした送金システム・決済システムを含む銀行業、健康・医療、教育、環境分野などなどのサービスを提供し、利益を上げていくことをドコモは目指しているようだ。ソフトバンクもヤフーを活用し、サービス業には力をいれているが、ソフトバンクと決定的に異なることがある。技術力と資金力だ。ドコモは以前からマルチメディアなどの研究にも力をいれ、いろいろなサービスを自社で提供できる能力を有している。また、圧倒的な資金力で、欧米企業の買収、出資、またアジア勢とのコラボなどが容易にできる(この円高、そして二番底が懸念される金融危機はこうした資本戦力に関してドコモの背中を押すことになるだろう)。
そうした技術力と資金力を駆使し、総合サービス企業に生まれ変わったドコモはまさに経済界の巨人となるだろう。多くの従業員を社費で海外留学させるなど、人材のグローバル化にも抜け目はない。
以前PHSの台頭が携帯電話の普及を促したように(PHS以前は携帯料金は高く、庶民には手がでなかったが、PHSで価格破壊が起こり、携帯料金が下がり普及が促された)、ソフトバンク、KDDIの台頭は、ドコモを総合サービスカンパニーへと促し、ドコモの繁栄の道づくりをしたにすぎないのかもしれない。
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