2011年11月21日月曜日

次世代無線LAN規格IEEE802.11ac

次世代無線LAN規格が動き出している。スマホの普及で、無線LANの有用性、そして携帯キャリア会社の救世主、ということで、いろいろ注目されている無線LANであるが、はやければ来年2012年にも次世代規格802.11acのデバイスがでてきそうだ。

IEEE802.11acの規格自体は2013年末くらいに全ての仕様がfixされるような形で標準化が進んでいるが、11nの時もそうであったように、物理層の仕様が固まりつつあるので、この段階で、「ドラフト」という形でデバイスが来年にもでてきそう、というみるのが、大方の見方だ。

11acの大きな特徴は、
・ 信号帯域が160MHz(160MHzはオプション。80MHzが必須。また、80+80MHzが連続、非連続の両方が存在)
・ 後方互換性を確保。
・ 8x8MIMO
・ 256QAM
などなどがあるが、これらの技術を用いて1Gbpsを実現する、という規格になっている(8x8MIMOで約7Gbpsまで拡張可能)。

実際この規格が今の無線LANのように安価に普及した場合、LTEやLTE-advancedのコスト高の1Gbps以下の通信速度サービスは競争力を持たなくなるかもしれない。

どこからか現れた実業家が、基本的に無線LAN経由によるサービスを提供し、補足的なものとして携帯のサービスをMVNOで安価に(リソースを小さく契約するため)調達できたとしたら・・・。現在の携帯電話各社は全く太刀打ちできないと感じる。

今後、より一層、携帯各社の無線LAN網とのつきあい方は、重要なファクタとなっていくだろう。


2011年11月1日火曜日

LTEエコーシステムの現状

GSA(Global mobile supplier association)が久々に出したLTE関連のレポートによると、
http://www.gsacom.com/downloads/pdf/gsa_lte_ecosystem_report_281011.php4
以下の数のLTE関連デバイスが世にでているそうだ。


「LTE FDD」
700 MHz                        106 devices
800 MHz                        42 devices
1800 MHz                       41 devices
2600 MHz                       52 devices
800/1800/2600 MHz        36 devices
AWS                             35 devices
(AWS: advanced wireless service 。1.7GHzなどを指す)。

「LTE TDD」

2300 MHz                      18 devices
2600 MHz                      17 devices

驚く事なかれ、我らがNTTドコモ様のバンド1(2.1GHz)のデバイスは全くもって数に入っていない・・・。まぁ、バンド1は5MHz帯の先行バンドなので、本格運用のバンド21(1.5GHz)は?、と見ても数にはいっていない・・・。やはり、未だに日本の市場はガラパゴスのようだ。。

また、既にTD-LTEのデバイスが結構でているのも、驚きだ。iPhoneに関してもiPhone5のLTEより、iPad3(?)のTD-LTEの方が早くリリースされる、という噂があるくらいで、TD-LTE市場も結構注目を集めている。

2011年10月現在35のキャリア会社がLTEサービスを始めているようだ。特に北米に関してはベライゾンもAT&Tも700MHz帯を使用しており、上記のデータからもその活況がわかる。日本も盛り上げていきたいところだ。




2011年10月25日火曜日

ソフトバンクのiPhone(スマートフォン)戦略とWiFi戦略

以前ソフトバンクのスマートフォン戦略の記事を書いたが、TD-LTEに関しては未だ未実現となっているが、WiFi戦略がかなり浸透していきているので、再度言及したいと思う。
http://lteltelte-lteworldsituation.blogspot.com/2011/02/blog-post.html
※ ソフトバンクHPから引用


私自信iPhone4Sを現在使用しているが、ほとんど3Gの回線は使用していない。というのも、WiFiルータを所有していることもあるが、駅や店などでは、ほとんどソフトバンク系の無線LANが無償で使用できるからだ。

現在ソフトバンク系の公衆無線LANは、
・ 以前からある「mobilepoint」のネットワーク
・ 最近拡充されている「0001softbank」のネットワーク
・ FON
と三種類ある。FONはスペインが始まったみんなで無線LANネットワークを共有しよう、というコミュニティで日本でバッファローがやっているFreeSpotに似ている。ただ、その普及は桁が違う。ほぼ全世界で普及している、という代物だ。

日本でもFONジャパンが立ち上がりgoogleやインターネットプロバイダのエキサイトなどが出資している(http://www.fon.ne.jp/)。

以下のルータを納入し、一部一般にネットワークを開放することで、代わりに様々な場所で無線LANが使用できる権利を得るわけだ。



一見ソフトバンクとは関係ないものだが、ソフトバンクからこのFONルータを無償提供し普及の促進に一役かっている状況だ。

ソフトバンクは今年9月に、10万箇所の無線LANアクセスポイントが設置されたことをニュースリリースしている(http://www.softbankmobile.co.jp/ja/news/press/2011/20110929_04/)。

そして現在も公衆無線LANエリアを拡大すべく、法人・店舗にはWiFiルータを無償提供している(http://mb.softbank.jp/mb/special/network/sws_router/)。


これは、現代のスマートフォン時代、キャリア会社としては、極めて、極めて賢明な判断だと思う。つまり、ソフトバンクはWiFiエリアを拡充し、セルラ3G回線の通信負荷を劇的に下げているのだ。

3Gのインフラ整備と無線LANのインフラ整備。その費用には雲泥の差があることは明らかだろう。しかも、スマートフォンは、3G回線、無線LAN回線を意識せず、通信が行える。しかも、積極的に無線LAN回線を使用して動作するので、キャリアの設備投資費も下げる格好となる。

ユーザも3G回線を使用し、課金量を増やしたくない。キャリア側も整備コストの高いセルラ回線はあまり使用して欲しくない。この『公衆無線LAN』普及ソリューションはまさにユーザとキャリア会社のwin-winを実現するものなのだ。


WTOが予測するには、世界はどんどん都市化していくようだ。つまり、人口密度が高いところはもっともっと将来高くなる、ということだ。こういった高い人口密度のエリアは無線LAN、そして郊外や移動速度の早い移動体に乗っている時はセルラ回線、というように自動的に切り替えるソリューションが今後のキャリア会社には重要になってくるのであろう。

現在海外のキャリア会社の多くは、設備投資費用に見合わない、という理由から定額料金をどんどん止めているが、これはややもするとLTEを含めたセルラサービスの衰退を招きかねない。やはり、セルラも安心して使える、定額料金にして、実際のデータ通信は無線LAN回線を使用する、というようにサービス提供者が工夫するというのがベストだと感じる。



そういった意味ではソフトバンクのこの事業戦略は「あっぱれ」というしかほかない。私もFONのルータを設置することにしよう。。


2011年10月21日金曜日

ミリ波通信(IEEE802.11ad、WiGig)

近年周波数の枯渇や大容量データ通信の必要性などの理由から60GHz帯のミリ波通信の必要性が叫ばれ、標準化が進んでいる。

主な規格としては、
・ IEEE802.11ad
・ WiGig
・ WirelessHD
・ ecma international
となるが、今回は802.11adとWiGigに関して、その標準化動向や技術内容に関して俯瞰していきたい。

各規格を見る前に、ミリ波の周波数の状況だが、日本でも、以前から特定小電力無線局として59~66GHzが割当てられていたのだが、これを2GHz分拡張し、57~66GHzが使用できるようになった。


こうすることにより、欧州などと歩調がとれ、協調運用が可能だ。これにより、デバイス開発などが容易になる。ミリ波伝送の周波数プランは、国際的に
チャネル1:中心周波数58.32GHz、帯域幅2160MHz

チャネル2:中心周波数60.48GHz、帯域幅2160MHz
チャネル3:中心周波数62.64GHz、帯域幅2160MHz
チャネル4:中心周波数64.80GHz、帯域幅2160MHz
となっており、日本は全て対応出来る形になっている。ちなみにヨーロッパでも全て、北米や韓国はチャネル1~3が対応可能、という形だ。


さて、話を規格の方に戻そう。


802.11adは先の記事でも示したが、11acのミリ波版とも言える方式だ。
http://lteltelte-lteworldsituation.blogspot.com/2011/10/ieee.html

もともと、802.15.3cで規格していたのもを一本化したものと言われているが、シングルキャリア方式とOFDM方式両方をもつ、ちょっと今までにない方式だ。概要とまとめると(あくまでも現時点でのドラフト5.0でのものだが)、

帯域: 2160MHz

シングルキャリアサンプリング周波数: 1760MHz


OFDMキャリアサンプリング周波数: 2640MHz

プリアンブルSync長: コントロールPHY38repetition、
他のMCSでは14repetitiion(Golaycodeを使用)

プリアンブルSFD(start Frame delimiter):コントロールMCSには、128長のGolayシーケンスを2つ、高レートMCSには128長Golayシーケンスを1つ。


プリアンブルCES(channel estimation sequence):128のガードインターバルに続く8つの128長のGolayシーケンス(シングルキャリアでも、OFDMでも同様)が2つ。

コントロールPHY(MCS-0):32 Golay 拡散、Pi/2 DBPSK 、短縮された LDPC コード


OFDM FFT サイズ:512

シングルキャリア変調:Pi/2 DBPSK、Pi/2 BPSK、Pi/2 QPSK、Pi/2 16QAM
OFDM変調:SQPSK、QPSK、16QAM、64 QAM

誤り訂正:リードソロモン 208/224、BC8/16、LDPC 1/2, 3/4, 5/8, 13/16

となる。

また、11adはミリ波なので、どうしても電波の遮蔽が厳しくなるが、これの解決策として11nなどの規格(6GHz未満)への高速ハンドオーバなども機能も有している。


次にWiGigに関してだが、WiGigにはWiGigアライアンスがあり、その業界標準化を虎視眈々と狙っている。WiFiアライアンスとの協業やWiGig仕様の一部IEEE802.15.3c仕様の踏襲、また11adの標準化に寄与するなど、ミリ波通信の業界標準に向けて準備万端といった形だ。

WiGigの一番の特徴はなんといってもIPだけでなく、無線で機器とつなげることができる、ことであろう。ePCIやUSB、HDMIともつながる。そして、これらを柔軟に切り替えるためにプロトコル・アダプテーション層を採用している。PAL層とも呼ばれる。

また、以下のような特徴も見られる。
・ データレート:OFDMで7Gbpsまで、シングルキャリアで4.6Gbpsまで。
・ ビームフォーミング技術の採用
・ マルチバンドオペレーション(2.4GHz帯、5GHz帯との協調運用)
・ 電力制御(2デバイス間で協調し、より低消費電力な形で動作)
・ 高度なセキュリティ機能AES(Advanced Encryption Security)の採用。Galois/Counter Modeの採用。

ミリ波デバイスが安価になってきたことで、このあたりの通信が一気に花開きそうだ。

60GHz帯は無許可で使用できる周波数帯でもあり、帯域が広いことから高スループットの伝送も容易である。最近は既に試作機もでてきている段階にあるが、これらの技術が商品化されたころには、まさにSFの世界のような、リッチコンテンツが楽しめる世の中になっていることだろう。

ストレージ機器、ディスプレイなどとともに、今後もミリ波通信が繰り広げる世界、に関しても継続してウォッチしていきたい。


2011年10月11日火曜日

アマゾンタブレット端末、キンドル・ファイア

本ブログでも予想したように7インチタブレット版キンドルファイアが発表された。11月15日販売予定、ということだ。
http://lteltelte-lteworldsituation.blogspot.com/2011/09/blog-post_19.html

価格も1万5千円程度、とiPadよりもかなり安い。

タブレット端末は様々出ているが、この勝敗を決めるのは、性能でも価格でもなく、コンテンツシステムと言われる。アップルはアップルストアをもち、アプリ、音楽、ビデオなど幅広く販売するシステムをもつ。一方、アマゾンもeコマースの代表格であり、またキンドルでの電子書籍関連販売実績は他を圧倒する。アマゾンはこのキンドル・ファイア用にホームページを大幅改訂している、という噂もあるし、当然、様々なものを販売していくことになると思うので、そういったしくみを作るというのは当然のことだと思う。

日本勢といえば、「アクトビラ」なんというコンテンツ販売システムを共同で作成しているが、これを活用してソニータブレットSまたはPシリーズは、コンテンツシステムを構築していくのかもしれない。

ただ、電子書籍などは日本の法整備などもあり、またまた海外勢と歩調を合わせることができないようだ。日本の常識は、世界の非常識。今後どのように、グローバルスタンダードに適応していくか、携帯電話でも味わったガラバゴス状態にならないように国をあげて取り組んでいかなければならない、問題なのかもしれない。



2011年10月10日月曜日

3500円タブレットPCの登場!!

な・な・なんと、3500円のタブレット端末が登場している。もちろん、無線LANもついており、タッチスクリーン、2GRAM、USBなどもあり十分な仕様である。これを今後は、技術革新を経て、1500円、800円程度まで価格を下げたい、といっている。まさにアンビリーバブルな話だ。


実はこれ、インドの話。インドの学生用に開発されて1500ルビーパソコンだ。

http://www3.nhk.or.jp/news/tokusetsu2011/1007.html

な~んだ、と思うかもしれないが、中長期的には極めてエポックメイキングな話だ。

① この価格でタブレットPCが開発された場合、欧米・日本のみならず、韓国、台湾、中国など全く歯が立たなくなるだろう。
② 数学が得意で、プログラミングなどに長けているといわれるインド人。こういった12億人がまさに最新ITツールを手にした格好だ。現在のIT技術による生産性の向上はまさに青天井で、こういった労働力12億人が新たに世界の産業界に台頭してくる格好だ。その影響は、全くもって予想がつかないほど巨大、と言える。


インドといえば、バールティー・エアテル(Bharti Airtel)がGTI(Global TD-LTE Initiative)に加盟しており、WiFi・TD-LTEのルータなどがでれば、この1500ルビーPCとルータで、どこにいてもインターネットにアクセスできるようになる。

いやはや、グローバル化とデジタル技術はどこまで世界を変えていくのか、末恐ろしい限りである。

2011年10月7日金曜日

iPhone4S、KDDIとソフトバンクでの速度に違いとアップルの対応に関して

iPhone4Sが発表されてから、KDDIとソフトバンクの速度の違いに関しての多くの報道がなされている。ご存知のようにKDDIは、EVDOのRev.Aマルチキャリアを使用しているため、その速度は、3.1Mbpsまでしかでない。一方ソフトバンクはHSPAを採用しているので、14.4Mbpsまででる(ともに下りの速度)。


ここで注意したいのが以下の2点だ。
① ソフトバンクは、どの程度14.4Mbpsの速度がでるのか?どこで?この速度の人口カバー率はどの程度か?
② ソフトバンクは、現状最大42Mbpsの速度がだせるはずだが、iPhone4Sは14.4Mbps止まりなのか?


①に関して言うならば、数字のインパクトはソフトバンクの14.4Mbpsの方があるのだが、ネットワークの評判はやはりKDDIの方が上だろう。

これはカバーエリア(ひょっとしたら、14.4Mbpsは都市部だけ??)やリソースのスケジューリングの問題、また基地局配置戦略などいろいろな事項が絡んでおり、このような評価になるのだろう。

今後は、最大速度だけではなく、サービスの人口カバー率を考慮して、キャリア会社を選定する必要があるのかもしれない。



②に関しては、14.4Mbpsの物足りなさだ。以下にGSAのHSPAの図を載せるが
HSPAはMIMOや多値変調方式、デュアルキャリアなどを採用し、168Mbpsまで比較的容易に速度を拡張させることが可能だ(HSPA+、もしくはHSPA evolutionと呼ばれる)。しかし、今回は14.4Mbpsどまり、ということだ。ソフトバンクは42Mbpsをうたっており、この制約はiPhone側にある可能性が高い(裏はとれていないので、推測の域をでない)。

アップルサイドとしても、本気のiPhoneはやはり『5』となると伺える(まぁ番号を見れば、「4S」と「5」なので一目瞭然だが)。技術的なことを知る私としては、iPhone4SでせめてHSPA+、iPhone5でLTEを載せて欲しかったと感じるが、現実のものとならず、少し残念に思う。

ただ、故・ジョブズ氏の追悼の意味をこめて、また話題性もあって、iPhone4Sも前バージョンからの買い替え需要など、他の機種を圧倒して普及していくのだろう(キャリア間の移動は別として・・・)。