以前記事で音声通信のためのCSFBの記事を書いたが、ハンドオーバとの違いなどについて質問をいただいた。ちょっとここで他ネットワーク間のハンドオーバ関連の技術に関してまとめたい。
3GPPでは以下の4つを定義している。
(1) インターラットハンドオーバ(inter-RAT handover)
(2) ネットワーク補助セル変更(network assisted cell change: NACC)
(3) 単一無線音声通信継続(single-radio voice call continuity: SR-VCC)
(4) サーキッド・スイッチ・フォールバック( Circuit switched fallback: CSFB)
また、現在のネットワークには以下の2種類が存在する
・ 回線交換( circuit switch ) → 回線を占有して通信を行う(GSM,WCDMA,CDMA2000)
・ パケット交換( packet switch ) → パケット方式で回線を共有して通信を行う(GPRS,WCDMA,EVDO,LTE)
この2種類のネットワークを押さえ、上の4つの他ネットワーク間のハンドオーバについて説明する。
(1) インターラットハンドオーバ(inter-RAT handover)
まず、RATはradio access technologyの略でインターラットとは「他ネットワーク間」ということになる。例えばLTE→WCDMA、LTE→GSM、LTE→EVDOといった具合だ。重要なのは「パケットデータ通信」でのハンドオーバということだ。
(2) ネットワーク補助セル変更(network assisted cell change: NACC)
これはLTEからGSMへのパケットデータ通信のハンドオーバで、LTEのパケット方式からGSMの回線交換方式へハンドオーバする際の呼び名である。
(3) 単一無線音声通信継続(single-radio voice call continuity: SR-VCC)
これは音声通信のハンドオーバでPS(packet switched)からCS(circuit switched)領域への移行となる。(4)のCSフォールバックと異なる点はPS領域でも音声のサービス(VoIP)を行っている点である。
(4) サーキッド・スイッチ・フォールバック( Circuit switched fallback: CSFB)
これは以前の記事でも書いたが音声通信をレガシーのCS回線の一任させる方法である。
まとめると、
(1) インターラットハンドオーバ(inter-RAT handover)
データ通信:PSからPS
(2) ネットワーク補助セル変更(network assisted cell change: NACC)
データ通信:PSからCS
(3) 単一無線音声通信継続(single-radio voice call continuity: SR-VCC)
音声通信:PSからCS
(4) サーキッド・スイッチ・フォールバック( Circuit switched fallback: CSFB)
音声通信:CSのみ
データ通信:PSのみ
という形になるだろう。
う~ん、複雑だ・・・。
「以下の資料が役にやつ」
http://www.motorola.com/web/Business/Solutions/Industry%20Solutions/Service%20Providers/Network%20Operators/LTE/_Document/Static%20Files/InterTech%20Mobility%20White%20Paper.pdf
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