KDDIとソフトバンクの加入者数が切迫している。もう既に同位2位と言ってよいほどだ。
この2社、LTEの導入によってどう順位に差がでてくるだろうか?
まず、各社のサービス開始時期だが、
ソフトバンク→ 2011年末頃
KDDI→ 2012年末頃
とKDDIの方が一年遅い。これは例の周波数再編を待ち800MHz帯で大々的にLTEサービスを行いたい、という意図からだ。KDDI陣営としては、時期よりその後のサービス(回線のつなぎやすさ、インフラコストの廉価さ)を優先させた形だ。
私はこれが裏目にでると予想している。
ではソフトバンクのメリットから見てみよう。ソフトバンクは本ブログでも何度も言っているようにTD-LTEを採用する。今年はじめのバルセロナで行われたモバイル・ワールド・コングレスではGlobal TD-LTE Initiativeなどというチームを立ち上げ、派手にアピールしてみせた。
このTD-LTEは中国向けといってもいい規格であり、中国のZTE、Huawei、また韓国のサムソンが熱心に開発を行っている。この企業はやはりエリクソン、ノキアシーメンスましてや日本勢のNEC、富士通よりも安価な基地局を作成することができ、この点で運用にはメリットがある。また、中国・韓国勢の技術力、サポート力はここ数年の格段にあがり、いまや理系離れが激しい日本勢よりも定評があるくらいだ。
ソフトバンクは、このテクノロジを採用し、インフラコストの廉価さ、と手にしている。
こうなると、KDDIのメリットの効果はなくなる。その上ソフトバンクはあのスマートフォンの化け物iPhoneを囲んでいる。そして、このiPhoneのTD-LTE版は、既にチャイナモバイルへの供給されることになっている。
http://atlasrnc.jp/arcjp/board_trend_oversea_day/1289
つまり、ソフトバンクにも供給可能ということだ(孫さんは中国に太いパイプをもつ、とされる)。そして、孫さんはバルセロナで「タブレット」の名も連呼していた。つまり、iPhoneだけでなく、TD-LTE版のiPadもでてくる、ということだ。
これだけ魅力的な製品のリリースが予想され、かつサービス開始時期も1年も早いとあっては勝ち目はないだろう。
逆にKDDIがLTE FDDの特徴を生かし
・ PSP(プレイステーション・ポータブル)
・ Nintendo DS
・ Xplay( sony ericsson )
などのLTE FDD版でオンラインゲームなどの魅力的なサービスが提供できるようにすれば少しは勝ち目があるのかもしれない。ただ、これらの製品も当然中国・北米市場を狙うためにTD-LTEは実装している筈であり、そうなれば、勝ち目がないことになる。
もちろん、勝ちか負けかの0、1で決まる話ではないが、今のところ見える情報から推察すると、LTE時代はソフトバンクに軍配があがり、
1.NTTドコモ
2.ソフトバンク
3.KDDI
4.イーアクセス
なんていうことになると予想できる。いずれにせよ、来年が楽しみである。
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