2011年2月11日金曜日

ノキア スマホ戦略でマイクロソフトと提携!

最近携帯電話のシェアを大きく落としているノキアが大きな提携報道で紙面を賑わせた。

ITの巨人、マイクロソフトとの提携だ。

筆者のような古い人間は、スマートフォンと言えば以前はマイクロソフトウィンドウズののった携帯電話でウィンドウズのアプリケーション(ワードやエクセルなど)が使えたものであったことを思い出す。。そして、これがまた再現されようとしているのか・・・?

しかし、この提携、筆者は現在の携帯産業の流れを変えるようなものではないと考える。つまり、あまり効果がないということだ。

理由は以下だ。
1.ノキアのCEOはMS出身であり、MSの思想を強く受け継ぐ。
2.MSの時代はやはり終わったのだ。コンピュータはいまやネットワークと一体化しており、MSは以前からその思想が薄い。前CEOビル・ゲイツ氏は以前Webブラウザの開発をも当初反対していた。ITはクラウド、SNSなどのweb2.0時代(最近こういう表現はされなくなったが)であり、この流れにMSはなかなか付いていけないと考える。
3.アップル、RIM、グーグル、サムソン、HTCなどスマートフォン先駆者はかなり手ごわい。特にアップル、グーグルはそのビジネスの幅をスマートフォンのみではなく、Appleストア、iTune、googleサイトなどポータルサイトも持ち合わせており、スマートフォンは単なる窓口にすぎない。ソニーなどもこういったビジネスモデルの構築を進めており、ノキアがどこまでこういったしくみを構築できるか、疑問が残る。
4.人材の確保。やはり、MSの人気は陰りが見えていると考える。以前経済評論家ピーター・ドラッカーは『産業の衰退は優秀な人材を確保できなくなった時から始まる』、と述べているがこれは企業に関しても同様である。GPTW(Great Place To Work)の調査でもグーグルが一位に輝く一方、MSは10位にも入っていない。

などである。

といっても誰も未来を確実に予想することはできない。これからのノキアの動きに注目していきたい。また、本ブログの題名にもなっているLTEに関してだが、ノキアはLTEの着手が非常に遅れている。他のスマートフォンメーカは既に開発を着手しており、確実にLTEのスマートフォンを近い将来登場させる。この観点からもノキアは非常にビハンドしている。

どうした巨人。やはり世の慣わしに従い、栄枯盛衰となるのか・・・

また、以下にアメリカ調査会社Gartnerの調査した現在の携帯のシェアを記載したい。

http://www.gartner.com/it/page.jsp?id=1543014

『携帯電話のグローバルシェア』




出典:Gartner(2011年2月)






『携帯電話OSのグローバルシェア』




出典:Gartner(2011年2月)



まぁ、ノキアを心配する前に日本の携帯電話メーカを心配した方がよさそうだ。LTEはグローバル標準規格。LTEでなんとも巻き返しを図っていただきたいところだ。


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ノキア:米マイクロソフトと戦略的提携 スマホで巻き返し
2011年2月11日 20時19分 更新:2月11日 20時52分

【ロンドン会川晴之】携帯電話機世界最大手のノキア(本社・フィンランド)は11日、米マイクロソフト(MS)と多機能携帯電話(スマートフォン)を中心に、幅広い分野で戦略的提携を結んだと発表した。基本ソフト(OS)にMS製の「ウィンドウズフォン7」を採用した新たなスマートフォンを開発し、先行する米アップルや米グーグルを追い上げる態勢を構築する。

 米調査会社ガートナーによると、10年のスマートフォンの世界販売台数は前年比72%増と急伸。アップルの「アイフォーン」や、グーグルのOS「アンドロイド」を搭載した端末がシェアを伸ばしている。

 ノキアも独自のOS「シンビアン」を採用したスマートフォンを展開しているが、グーグルに猛烈に追い上げられ、10年の携帯電話機の世界シェアは36.4%から28.9%に急落。MSも携帯電話会社との提携が進まず、OSの市場シェアは4%にとどまっていた。

ノキアはMS製OSを搭載するスマートフォンには、検索エンジンもMS製の「ビング」を、地図情報サービスでもMS製のソフトを採用する。

 MS出身であるノキアのエロップ最高経営責任者(CEO)は「スマートフォン分野で業界のリーダーになる」と、巻き返しを図る考えを強調した。

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